子どもが迎えた大切な試合。しかし、緊張してしまい立ちすくんでいる、練習ではできることが出来ない、怒られてすぐに泣くなど子どものメンタルが弱いと感じる場面に遭遇することがよくあります。子どものメンタルを強くするにはどうしたら良いのでしょうか。
「自己肯定感」を育てる
子どものメンタルを強くすると言っても、一朝一夕で出来ることではありません。小さな頃からの大人や周りとの関わり方など日々の積み重ねの中で強い心は育ちます。
そんな子どものメンタルを考える上で欠かせないのが、子どもの「自己肯定感」。「自己肯定感」とは、自分自信のことをきちんと評価し、自分のことを好きだと感じられる感情のことです。
小さな頃から、親や周りに叱られることが多かったり、親の愛情を感じにくい環境で育った子どもは、自然と「自分は何をしてもダメなんだ」「出来ない」という劣等感を持ちます。
自分自信に対する評価は常に低く、自信を持つことができない「自己肯定感」の低い子どもになります。
反対に、何をしても周りに怒られることなく、全てを受け入れてもらえる環境で育った子どもは、「自分は何でも出来る」「自分はすごい」と自分自身を過大評価し傲慢な子どもに育ちます。
しかし、その傲慢さは実は「自分のことをもっと評価してほしい」「自分を認めてほしい」という愛情を求める行為の裏返しでもあります。
「自己肯定感」が極端に低い子どもや高い子どもというのは、やはり心が折れやすく、困難やトラブルに直面すると自分で立ち直ることが難しいのです。
小さな頃から自分の思いを受け止めてもらったり、時にしっかりとぶつかったりしながら、たっぷりと親の愛情を感じ育った子どもは、自分自身のことを正当に評価し、自分のことを肯定的に捉えられる子どもに育ちます。
この「自己肯定感」がある子どもは、困難にぶつかったり、プレッシャーを感じる環境でも諦めず自分で頑張る力を持っています。もちろん、本来の子どもの性格も大きく関係していることを忘れてはいけません。
活発で何事にも積極的な子どももいれば、慎重に物事を進めるタイプの子どももいます。子どもの性格に合わせて、それぞれのペースで子どもが自分で自分を好きだと思える「自己肯定感」を小さな頃からきちんと育ててあげることが大切です。
「自己肯定感」を育てる基本となるのが、子どもが愛情をしっかりと感じられる親子関係です。小さな頃から子どもの個性や人格を認め、必要な時にはきちんと甘えられるしっかりとした親子関係こそが、子どものメンタルを強くする鍵となるのです。
小さな「出来た!」を積み重ねる
子どもの「自己肯定感」を育て、強い心を養うのにおすすめなのが、子どもに日常の中で「出来た!」と感じられる経験をたくさんさせてあげることです。
例えば、子どもに簡単なお手伝いを頼んでみる、子どもと一緒に簡単なスポーツを楽しむなど些細なことで構いません。子どもが少し難しいけれど、自分で出来そうなことに挑戦する機会をたくさん用意しましょう。
子どもの「やってみよう!」という気持ちを引き出すためにも、子どもが今どんなことに興味を持っているのか、どれくらいのことなら一人で出来るのか、大人はその都度子どもの様子に合わせた小さな課題を用意してあげる必要があります。
また、子どもが出来たら大いに誉めてあげてください。小さなことでも良いので「出来た!」という喜びが子どもの自信に繋がります。
そして、その自信が「次はもっとこうしてみよう!」といった新しいことを挑戦する意欲になるのです。
失敗を恐れない子に!
子どもが上手く出来ない時、失敗してしまった時あなたはどのように対応していますか?我が子を思うからこそ、「違うでしょ!ここはこうよ!」「どうして出来ないの?」などとついつい細かく口を出したり、感情的になってしまうことはよくあるものです。
上手く出来ない時にその都度口を挟まれたり、怒られる子どもは、徐々に「言う通りにしなくては」「失敗したらダメだ」と失敗を恐れる子どもになります。
失敗を恐れることで、プレッシャーに弱くなったり、やる前から諦めてしまったりといった悪循環に陥入ります。
しかし、実は、子どもにとって失敗することは悪いことではありません。失敗から学ぶことは非常に多いのです。失敗した経験からどのように立ち直るかを子どもの頃にたくさん経験させてあげましょう。
子どもが失敗してもすぐに口を出したり、感情的に怒ったりせずに「大丈夫!」と私達親も失敗を前向きに捉え、次へ生かしていけるようなサポートをしていく必要があります。
まとめ
このように子どものメンタルを強くすると一言で言っても、 小さな頃からの日々のお子さんとの関わりが大変重要になっています。
その中でも大切にしたいのが、子どもの「自己肯定感」。「自己肯定感」の強い子どもはやはり困難にぶつかっても自分で立ち直る力や諦めない強い心を持っています。
私達親は、子どもの「自己肯定感」を育ててあげられるように子どもの思いに寄り添い丁寧に関わる必要があります。