多くの親御さんが、子どもにはのびのびと育ってほしい、と思っているのではないでしょうか?しかし、ある程度年齢が上がってくると、社会のルールや礼儀作法も身につけてほしいものですよね。そこで、ここでは礼儀作法も身につくおすすめの子ども向けスポーツ習い事をご紹介します。
「和」と礼儀作法を学べる合気道
礼儀作法が身につくスポーツ習い事といえば、やはり武道系が一番!空手や柔道、合気道など人気の武道系習い事はいくつかありますが、筆者が特におすすめしたいのは合気道です。合気道の大きな特徴は、「人と競争しない」ということ。空手や柔道は相手を倒すことを目的とするスポーツであり、試合や大会が年間を通じて開催されています。一方で、合気道は技術を高め、精神的な鍛錬を主な目的とするスポーツです。相手を倒したり、人と比べて優劣を付けたりすることは良しとしないため、試合や大会は開催されません。
合気道は自己と向き合い、心身を鍛錬するスポーツです。先生や共に学ぶ仲間たちと競うことはありませんが、互いに敬意を持って練習に励むことができるスポーツだといえます。勝ち負けにこだわらず、仲間と共に互いを高めていける環境に身を置くことで、子どもも礼儀礼節を学ぶことができるのではないでしょうか。年齢や性別の異なるさまざまな人と交流しながら練習することで、協調性や「和」の精神を学ぶこともできるはずです。
特に、人と争うことが苦手な子どもや体の小さい子、女の子などでも、合気道なら安心して習うことができます。空手や柔道に比べるとケガのリスクも少なそうなので、親としても安心して子どもを教室に通わせることができそうですね。
定番人気の野球は上下関係を学ぶのに役立つ
野球は硬派なイメージの強いスポーツですが、実際、習うと礼儀正しくなるという声をよく聞きます。筆者の身の回りを見ても、大人にきちんと挨拶ができ、マナーが身についている子が多い気がします。はっきりとした根拠があるわけではありませんが、いろいろと考えてみた結果、「上下関係がはっきりしている」「監督が怖い」といったことが原因かな、と感じました。
サッカーやバスケでは個人プレーがあっても責められることは少ないと思いますが、野球では個人プレーが際立つと攻守に支障をきたしてしまいます。野球は、選手がチーム全体の動きを把握し、連係プレーを活用して点を取るスポーツです。このため、選手は監督の指示に従って動くことが大切ですし、身勝手なプレーをすることはあまり褒められたこととはいえません。この「チームのために」という意識が徹底されているからこそ、野球を通じて子どもたちはワガママを抑える術を学ぶのかもしれませんね。
また、野球の監督は自身も上下関係の厳しい世界で育ってきているので、選手にも愛情を持って厳しく指導にあたる人が多い気がします。厳しい監督に声の出し方や挨拶の仕方、大人への接し方などをみっちり指導されるため、野球をやっている子は自然と礼儀作法が身についていくのかもしれません。
礼に始まり礼に終わる、剣道
礼儀作法が身につくスポーツといえば、やはり剣道を欠かすことはできません。「礼に始まり礼に終わる」といわれるほど、礼儀作法を重んじるスポーツです。剣道の試合を見るとよくわかるのですが、試合の前には互いに礼を交わし、試合後もしっかりと礼をして退場します。勝者がガッツポーズをしたり勝った喜びをあからさまに表現すると一本が取り消しになるというルールがあるほど、対戦相手への礼を重んじるのが剣道の特徴です。
また、剣道では勝つためには決まった部位を攻撃しポイントを取らなくてはいけません。有効な部位は面・小手・胴・突きの4箇所しかなく、足などを狙うことはありません。お互いに定められた部位を狙い切磋琢磨するという点からも、ずるさや不公平さとは程遠いスポーツだといえるのではないでしょうか。
剣術は、もともとは人を殺めるためのものです。戦国時代などの真剣勝負であれば、ところ構わず切りつけて相手を倒すことが至上だったかもしれません。しかし、剣道の理念は「剣の理法の修練による人格形成の道」なのだそうです。竹刀を持ってやたらに殴りあうのではなく、技を磨き、対戦相手や師匠、仲間への礼を欠かすことなく、優れた人間性を育むことが剣道の大きな目標だといえます。だからこそ、子どものスポーツ習い事として剣道をやらせると、礼儀作法がしっかり身に付つくというわけですね。
まとめ
いかがでしたか?子どもに礼儀作法が身につくスポーツ習い事、イメージ通りのものもあれば意外なものもあったのではないでしょうか。小さいうちから監督やコーチといった第三者の大人に礼儀作法を学ぶことは、子どもにとって良い影響を与えてくれます。子どもに礼儀作法を身につけさせたいと思ったら、今回ご紹介したような習い事を検討してみてはいかがでしょうか?