我が子には出来たらスポーツが出来るようになってほしい、運動が得意な子に育ってほしいと願うお父さんお母さんは多いのではないでしょうか。
しかし、運動が出来る子と出来ない子の違いとは一体何なのでしょうか。
そこでぜひ知っておきたいのが子どもの「体幹」についてです。
体幹とは?
一流アスリートが体幹を鍛えるトレーニングを積極的に取り入れていたり、体幹という言葉をよく耳にします。
そもそも体幹とは一体何なのでしょうか。
体幹とは読んで字のごとく「体の幹」となる胴体の部分を言います。
体幹と一言に言っても幅広く、腹筋や背筋はもちろん身体の内側の深い部分にあるインナーマッスルも含まれています。
また、筋肉だけでなく骨盤や背骨、肋骨などの骨も実は体幹に含まれています。
体幹の役割は大きく2つあり、「体を支え姿勢を安定させること」と「体を動かす中心的な役割をすること」です。
私達の姿勢を維持し支えてくれると同時に、体の動きの中心となり手、足の動きを生み出してくれているのが体幹なのです。
この体幹がしっかりしていると、姿勢がきれいでバランス感覚に優れているだけでなく、体全体の筋肉を効率的に動かすことができ、いろいろなスポーツやトレーニングに有利だと言われています。
子どもと体幹
もちろん私達だけでなく成長過程の子どもにとっても子ども体幹はとても重要です。
子ども体幹がしっかりと育っている子は、きれいな姿勢が身につき歩き方などにも変な癖がつきにくいと言われています。
子ども体幹がしっかりしていると、内臓の働きや代謝も活発になり、風邪などを引きにくい丈夫な体を作ることができます。
また、脳の運動神経・感覚神経をつかさどる部位は、3歳から14歳までの間に著しく発達することがわかっています。
そして、14歳頃に脳の全ての運動神経・感覚神経系が完成するのです。
スポーツ科学の世界では、このおおよそ3歳から14歳の時期は運動神経が良くなる、スポーツが上手くなるための大切な時期だとして「ゴールデンエイジ」と呼んでいます。
その中でも、特に脳の運動神経・感覚神経系がぐんぐん発達する3歳から8歳の時期は「プレゴールデンエイジ」と呼ばれ、この時期に運動能力の基礎が形成されるとされています。
この時期にいろいろな遊びやスポーツを通して様々な運動を経験したりしっかりとした体幹を育てることは、子どもの運動神経を良くするのに大変有効なのです。
その後、小学校高学年〜中学生で訪れる「ゴールデンエイジ」と呼ばれる時期に、技術やセンスの吸収が良くなり高い運動能力を発揮することができると言われています。
オリンピックのメダリストや一流アスリートと呼ばれる人達の多くがこの「プレゴールデンエイジ」の時期に競技を始めたり、小さな頃からスポーツに積極的に関わっていたというのも納得ですね。
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体幹が弱い子どもの特徴
このような重要な役割をもつ子どもの体幹ですが、最近子ども体幹が十分に育っていない子どもが増えていると言われています。
ここでは実際に体幹が弱い子どもの特徴をいくつか挙げてみました。
あなたのお子さんの体幹は大丈夫ですか?
姿勢が悪い
猫脊やO脚など最近特に増えている姿勢が悪い子ども。
実は姿勢が悪いのではなく、姿勢を保つのに必要な体幹の筋肉が育っていないことが多くあります。
姿勢を保つのに必要な筋肉が育っていないと、無理な姿勢から内臓に負担がかかってしまうケースもあります。
集中力が続かない
体幹が弱いと同じ姿勢で居続けることが難しいため、じっとしていられず必然的に集中力が途切れやすくなることがわかっています。
テレビを見ていたり絵本を読んでいてもすぐに寝転がったり体勢を変えたりするのは、姿勢を保持するのに十分な子ども体幹が備わっていないからかもしれません。
よく転ぶ、怪我をする
子ども体幹が弱いことでバランスを崩したり、転んだ際に上手く手をついたりすることができず、怪我や転倒が多くなります。
姿勢が悪いことで視野が狭くなっていて、つまずいたり転びやすいというケースもあります。
疲れやすい、持久力がない
子ども体幹の筋力が弱いと日常的に他の筋肉に無理な負担がかかっていて体を上手に休めることができません。
また、効率の悪い体の動かし方をするために、持久力がなくすぐに座り込んだり、長い時間体を動かすことができないのも特徴です。
まとめ
日頃あまり意識することのない子ども体幹ですが、子どもの運動神経アップや丈夫な体作りに欠かせない重要な存在です。
子ども体幹が弱いかもと感じた場合もまだ遅くはありません!晴れた日には積極的に公園へ行き、外遊びを楽しむといった簡単なことから始めてみましょう。
お子さんが興味の持てる範囲でトランポリンやバランスボール、リップスティック(ブレイブボード)などの体幹を鍛える遊びや子どもスポーツを少しずつ取り入れてみてはいかがでしょうか。