何かを始めてもすぐに諦めてしまう、長続きがしない。子どもの頃にそんな諦める癖がつくと大人になってもなかなか治らないものです。子どもが何かを諦めようとした時、私達親は一体どう対応したら良いのでしょうか。
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まずは子どもをじっくり観察。諦めてしまう要因は?
本来、子どもというのはいつでも一生懸命です。その子が本当にしたいと思っていることや、今その子が本当に必要としていることに関しては、驚くほどの集中力を持って取り組み、それを最後までやり遂げようとします。
子どもが困難に直面し、もう出来ないと投げ出しそうになっている時こそ、私達親の出番です。何がその子にとって難しいのか、何がやる気を失わせているのかもう一度じっくり観察してみましょう。
子どもが今挑戦しようとしていることは、その子のレベルに本当にあっていますか?その子を取り巻く環境は?使っている道具や遊具はその子にあっていますか?
諦めてしまう要因は、意外にもその子自身ではなくその子を取り巻く環境にあることは多いのです。まずは子どもをじっくり見て、今その子が本当に何を必要としているのか私達大人が見極めることが大切です。
怒らない!口を出さない!ぐっと我慢することも大切!
子どもが何かを上手く出来ない時、私達親はつい感情的に怒ったり、口を出したりしやすいものです。大切な我が子だからこそ、介入しすぎてしまう気持ちもよくわかります。
しかし、子どものやることなすことに、「これはこうするのよ!」「順番が違うじゃない!」などと細かく指示を出していると、「言う通りにしなくてはいけない」というプレッシャーが強くなり、子どもは萎縮してしまいます。
失敗を恐れる子どもになるのです。子どもにとって失敗する経験は決して悪いものではありません。むしろ失敗の中から学び、立ち直る経験を子どもにはどんどんさせてあげたいものです。
私達大人は、すぐに感情的になったり指示を出したりせずに、「少しくらい失敗しても大丈夫!」と大らかなに構えて、ゆったりと子どもに関わりたいものです。
子どもの気持ちに共感する
子どもがくじけそうになっている時に、「なんで出来ないの?」と責めたり、「嫌ならやめてしまえば?」と突き放した言い方はNGです。子どもの自尊心を傷付けてしまうばかりか、自分は「出来ない」と言う子どもの劣等感につながります。
小さな子どもにとって、自分の思いを言葉で表すことは難しいものです。「何で出来ないの?」などと責められても上手に言葉で説明することは出来ません。
子どもが「難しい」「出来ない」と感じているからこそ、大人が共感してその思いを言葉にしてあげましょう。「これはちょっと難しいね」「どうしたら良いかなぁ」と些細なことでも良いのです。
心の中にネガティブな気持ちがある時に、それを話したり言葉にすることは、浄化作用があります。子どもがくじけそうになっている時に、それをわかってくれる人がいる、それを言葉にしてくれる人がいることで、子どもの気分は軽くなり前向きになれるのです。
子どもが選択し決める経験を!
子どもが何かを始める時、それは子どもが決めたことか大人が決めたことかというのは大変重要です。自分の決めたことには、自然と責任が伴います。
自分が決めたことに対しては、大人と同様に子どももより主体的に、モチベーションを持って取り組むことができます。
また、このような自分で選ぶ経験を重ねることで、もし失敗したとしても「自分の決めたことだから仕方ない」と失敗を受け入れ、立ち直る強さを身につけることができます。自分で考えて行動する「自立」の力を育む第一歩だと言えます。
ただし、子どもに選択させると言っても、何もないところから選ぶのは、小さな子どもには大変難しいものです。
例えば「何がしたい?」というような聞き方ではなく、「縄跳びと鉄棒どちらがいい?」というように出来るだけ選択肢を挙げて具体的に質問するようにしましょう。私達親は、子どもに合わせた選択肢を用意してあげることが大切です。
スポーツで経験できること
諦める癖は6歳までに身につくと言われています。子どもの頃に経験したことは大人になっても大きな影響を及ぼします。
子どもが何かを諦めそうになっている時こそ、私達親の出番です。子どもの頃から出来るだけ「出来た!」と感じられる経験を子どもにさせてあげましょう。
小さな子どもが取り組みやすく「出来た!」とわかりやすく達成感を感じることが出来るのがやはり子どもスポーツ!例えば、初めて自転車に乗れるようになった時のことや、逆上がりが出来るようになった時のことを覚えている人は多いのではないでしょうか。
何度も繰り返し練習を重ね、出来るようになったという経験は、自信となってその後の人生の糧になります。脳の働きからも、体を動かすことで得られる達成感や充実感は非常に大きいということがわかっています。
お子さんの年齢に合わせて、自転車や水泳、サッカーなどどんなスポーツでも構いません。子どもスポーツを通じ子どもが「出来た!」と達成感を感じ、自信や意欲を持てる経験を小さな頃からたくさんさせてあげましょう。
子どもスポーツで経験できることは、もちろんこのような達成感を感じるということだけではありません。
例えば、野球やサッカーなどの団体競技の場合、子どもスポーツを通して仲間と協力し目標を達成するための協調性やコミュニケーション力を培うことができます。
チームとして目標を達成するためにどのように取り組むかを仲間と考え、行動し実行する力は、その後大人になり社会人となった時に必要不可欠な力です。
また、団体競技に励む場合、仲間と切磋琢磨する中で、向上心や競争心が身につきます。お互いに励ましあったり、刺激しあえる友達が出来たり、豊かな人間関係を築くこともできます。
もちろん子どもスポーツを通して困難なこともたくさん経験するでしょう。思うように出来ない、試合に負けて悔しい、他の子と比べてしまうということもあるでしょう。
しかし、そんな困難を克服する力も子どもスポーツを通して学ぶことができます。忍耐力がつき、努力のできる子どもになります。子どもの強い心を育くむ環境は、スポーツの周りにこんなにも揃っているのです。
まとめ
子どもが何かを諦めそうになっている時こそ、私達親の出番です。子どもをじっくり観察し「出来ない」と感じている要因を見つけたり、子どもの気持ちに共感したり、どれも私達の心掛け1つで出来ることばかりです。
子どもが小さな時ほど、諦めないで「出来た!」と感じられる経験をたくさんさせてあげましょう。