子どもがスポーツを始めると、親はやはり活躍してほしいと願うものです。しかし、「うちの子、運動神経よくないみたい。」「わたしもスポーツ苦手だし、遺伝だから仕方ない。」と思うことがありませんか?
でも、プロで活躍するスポーツ選手も、ご両親もスポーツが得意とは限りませんよね。
子どもがスポーツで活躍するためには、身体つくりや環境を整えることが大事になってきます。
それでは、いつどんなことを注意してあげればいいのかをみていきましょう。
【子ども時代に誰にでもおとずれるゴールデンエイジ!】
『ゴールデンエイジ』という言葉を聞いたことがありますか?
小学校高学年にあたる、10歳~12歳のことで、この時期に『運動神経』と呼ばれるものが完成すると言われています。
この時期の子どもたちは、理解力もついてきているため、見本や説明を1度聞いただけでも、あっという間に習得してしまいます。あらゆる物事を短時間で覚えることが出来る『即座の習得』を備えたこの時期は、一生に一度、誰にでもおとずれる、まさにゴールデンな期間なのです。
『赤ちゃんのころからスイミングスクールに通っていたのに、小学生から始めた子に追いつかれてしまった』というようなことが起こるのはこのためです。
もちろん、なにも運動をしていないのに、突然なんでもできるようになるわけではありません。ゴールデンエイジをむかえるまでに、子どもの身体つくりをしっかりとしておく必要があります。
【プレゴールデンエイジにしておきたい身体つくり】
ゴールデンエイジをむかえる前の時期(~9歳まで)を、プレゴールデンエイジといいます。
人間はうまれてからの1年間で、寝てばかりの状態から立って歩くまでに成長します。神経系の回路が急激に発達しているからです。それから、さまざまな動きを経験して身体の使い方を覚えていきます。
プレゴールデンエイジは運動神経の回路をつくる大事な時期です。
この時期にたくさんの回路を作っておくと、ゴールデンエイジをむかえたときに大きく能力を伸ばすことにつながります。
とはいえ、幼稚園児や小学校低学年の子どもたちはとても飽きっぽいものです。
ボール遊びをしていても、数回投げただけで鉄棒に行ってしまう。ということもよくあります。親としてはひとつのことにじっくり取り組んで欲しいと思ってしまいますが、少しずつでもたくさんの動作を経験することで、神経回路はどんどん増えていきます。
また、どのスポーツをさせようか迷うこともあると思いますが、この時期には一つのスポーツに絞らずに、いろいろな競技を体験させてあげてください。たくさんの動きを経験して、神経回路を張りめぐらせておくことで、のちに一つのスポーツを選んだ時に思うように身体を動かせるようになります。
プロ・アマを問わず、いろいろな競技のスポーツ観戦にも連れて行ってあげましょう。
目の前で観るスポーツは、TVで観るよりも子どもたちの心に刺激を与えます。「あんな風になりたい!」と憧れる気持ちも大事です。
【子どもと一緒に遊んで身体つくりをしよう!】
では、子どもの身体つくりのためにどんなことをすればいいのでしょうか。
実は、子どもの遊びの中に運動の基礎となる動作がたくさん含まれています。昔の子どもたちは木に登ることで手足の使い方を学び、不安定な小川の石の上を歩くことで体幹を鍛えていました。
しかしながら、現代の子どもたちは、自然の中で遊ぶことが難しくなり、ボール遊びですら禁止されている公園も多く、身体を動かすという環境に恵まれていません。
ゲームに夢中の子どもたちを動かすには、まず大人が楽しんで見せることです。
無理に子どもに運動をさせる必要はありませんし、1対1でずっと向きあっている必要もありません。ただ楽しんでいる様子を見せてあげましょう。
大人が楽しそうにしていると、子どもたちは興味を持ちます。
普段の遊びを一緒に楽しんであげるだけでいいのです。
例えば、バレーのように風船を上にはね上げるだけでも、たくさんの動きを習得できます。下に落とさないようにするには、風船を追いかけながら足も手も動かさなければいけません。もちろん、風船を見ておかなければいけないので、足元を見ることはできません。
『足元を見ずに身体を動かす』という高度な技を知らず知らずのうちに行っているのです。
他にも
・ケンケンパー 片足で立つことでバランス感覚を養う。リズムよく体を動かす。
・鬼ごっこ 相手の動きに合わせて走る。敏捷性・反射神経を養う。
・でんぐり返り バランス感覚、身体の使い方を学ぶ。
・自転車 バランス感覚、スピード感覚を養う。
など、身体つくりの元となる遊びはたくさんあります。
『身体を動かすと楽しい!』ということを一緒に体感できるといいですね。
【まとめ】
スポーツで活躍できる身体をつくるには、土台作りが大切です。遊びの中でいろいろな動きを経験させて、運動神経の基礎をつくってあげましょう。
そして、何より『スポーツって楽しい!』と思える環境をつくってあげましょうね。